再販価格維持 拘束条件付き取引 共同の取引拒絶 私的独占 知的財産権と独占禁止法 合併

合併 [ Q&Aトップへ ]
   
├- Q-1 独占禁止法における合併の規制について教えてください。
   
├- Q-2 合併が独禁法により禁止される場合の判断過程について、教えてください。
   
├- Q-3 「一定の取引分野」はどのような基準により、画定されるのですか。
   
├- Q-4 「一定の取引分野」がどのように画定されたのか、最近の具体例を教えてください。
   
├- Q-5 「競争を実質的に制限することとなる場合」とはどんな場合ですか 。
   
├- Q-6 「競争を実質的に制限することとなる」か否かについての判断要素を教えてください。
   
├- Q-7 過去において、合併を違法とした事例について教えてください。
   
├- Q-8 合併が違法とされなかった事例についても教えてください。
   
├- Q-9 合併の禁止にあたるか否かについての指針のようなものはあるのでしょうか。
   
└- Q-10 合併する場合に、公正取引委員会に事前に届出をしなければならないと聞いたのです が、本当でしょうか。



Q-1 独占禁止法における合併の規制について教えてください。
   
└- 【A-1】 合併により「一定の取引分野における競争を実質的に制限することとなる場合」(独禁法15条)には、合併が禁止されます。
なお、親子会社間や兄弟会社間の合併は、市場構造が非競争的に変化しないので、通常、合併規制に反しません。
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Q-2 合併が独禁法により禁止される場合の判断過程について、教えてください。
   
└- 【A-2】 まず、「一定の取引分野」が画定されます。「一定の取引分野」とは、法律用語ですが、市場と考えてもらえばイメージしやすいと思います。

次に、このように画定された「一定の取引分野」ごとに、合併によって競争を実質的に制限することとなる場合に、合併が禁止されることになります。
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Q-3 「一定の取引分野」はどのような基準により、画定されるのですか。
   
└- 【A-3】 「一定の取引分野」の画定は、競争の実質的制限の判断に大きな影響を及ぼすので注意が必要です(一定の取引分野を広く取ると合併当事会社の市場シェアが低くなり、狭く取ると合併当事会社の市場シェアが高くなります)。

取引の相手方が、商品・サービスの機能・効用を同種とみるかということが基本です。

まず、当時会社グループが行なっている事業全てについて、取引対象商品及び役務を列挙し、その一つ一つについて地理的範囲等を確定していくことになります。
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Q-4 「一定の取引分野」がどのように画定されたのか、最近の具体例を教えてください。
   
└- 【A-4】
例1) (株)バレオとホシ伊藤(株)の合併→(株)ほくやく(平成11年)
医薬品卸売業
各商品につき販売先が異なっていることから、各商品ごとの卸売分野に「一定の取引分野」が成立するものとし、地理的範囲については、両者がいずれも北海道で事業活動を行なっていることから、北海道地域とした。
例2) 大阪商船三井船舶(株)とナビックスライン(株)の合併→商船三井(株)(平成11年)
外航海運業
不定期船輸送につき、鉄鉱石、石炭、チップ、原油等の貨物の種類別に「一定の取引分野」が成立するものとし、定期船輸送については、両社間で共通する主要航路が存在しないことから検討不要とした。
例3) 小野田セメント(株)と秩父セメント(株)の合併→秩父小野田(株)(平成6年) 
セメントメーカー
全国的に事業展開されていることから、全国におけるセメントの販売分野に「一定の取引分野」が成立するとし、また各メーカーの物流体制や営業体制は各ブロックを管轄地域とする支店を単位として運営されていることから、各ブロックにおけるセメントの販売分野においても「一定の取引分野」が重層的に成立するものとした。
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Q-5 「競争を実質的に制限することとなる場合」とはどんな場合ですか 。
   
└- 【A-5】 画定されたそれぞれの「一定の取引分野」において、合併により市場構造が非競争的に変化し、特定の事業者等がその意思で、ある程度自由に、価格、品質、数量等の条件を左右することによって、市場を支配しうる地位を占めることになる場合です。
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Q-6 「競争を実質的に制限することとなる」か否かについての判断要素を教えてください。
   
└- 【A-6】 最も基本的な指標は、市場シェアやその順位です。
〈競争を実質的に制限することとなるおそれがあるとされた例〉
例1) 企業結合後の生産シェアが33.4%・第1位になるとともに合併によるシェアの増加分も大きく(10.2%)、上位3社の集中度が66.3%となる場合
例2) 企業結合後の新会社の販売数量シェアが大幅に上昇して50%弱となり、さらに生産能力シェアでみると、50%を大幅に上回り、競争会社が他に1社となる場合

逆に、1) 合併後の市場シェアが10%以下である場合や 2) 参入が容易であると判断される場合において、寡占的でない一定の取引分野において、市場シェアが25%以下であり、かつ順位が第2位以下である場合(但し、従来両社間で競争が活発に行なわれてきたこと等により市場全体の価格引き下げや品質・品揃えの向上などにつながってきたと認められる場合を除く。)には、通常、競争を実質的に制限する場合にあたらないものとされます。
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Q-7 過去において、合併を違法とした事例について教えてください。
   
└- 【A-7】 八幡製鉄(株)と富士製鉄(株)の合併→新日本製鉄(昭和45年)

合併後において牽制力ある有力な事業者が存在するか否かを違法性の判断基準とし、鉄道用レール、食かん用ブリキ、鋼矢板および鋳物用銑といった製品市場については、かかる基準に照らして、競争が実質的に制限され違法であるとしましたが、両社が違法を避けるため、第三者に株式譲渡・営業譲渡等をしたことにより、合併が実現しました。

合併ではありませんが、最近、日本製紙と大昭和製紙の事業統合においても、1) 年産50万トン相当の生産設備及び営業を3年以内に第三者に譲渡する 2) 紙の取扱シェアの大きい大手代理店3社に対する出資比率を引き下げることにより問題解消措置が講じられた事例があります。
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Q-8 合併が違法とされなかった事例についても教えてください。
   
└- 【A-8】 (株)三井銀行と(株)太陽神戸銀行の合併→さくら銀行(平成元年)

店舗数で国内銀行中第1位となるほか、国内預金・貸付残高で国内第1位、総預金残高で世界第2位となるものの、国内預金・貸付残高とも都市銀行中15%程度のシェアであり、第2位は13%程度であること、地域的にみても大きな競争条件の変化はないこと等の状況から見て、直ちに一定の取引分野における競争を実質的に制限することとなるとはいえないと判断されました。
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Q-9 合併の禁止にあたるか否かについての指針のようなものはあるのでしょうか。
   
└- 【A-9】 公正取引委員会が、平成10年12月、企業結合ガイドライン(『株式保有、合併等に係る「一定の取引分野における競争を実質的に制限することとなる場合」の考え方』)を発表しています。公正取引委員会のホームページで見ることが可能です。
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Q-10 合併する場合に、公正取引委員会に事前に届出をしなければならないと聞いたのです が、本当でしょうか。
   
└- 【A-10】 一定の規模の合併については、事前届出が必要とされていますが、全ての合併につき、事前届出が必要とされているわけではありません。
この場合、一定の規模とは、国内の会社同士の合併の場合、合併当事会社の中に、当該会社の総資産と当該会社の国内の親子会社の総資産を加算した総資産合計額が、「100億円超の会社」と「10億円超の会社」がある場合を指します。ただし、かかる一定の規模を超える合併であっても、親子会社間・兄弟会社間の合併については、届出をする必要はありません。
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