一 事案の概要
| 別紙 東京地方裁判所 平成12年3月31日 判時1734号28頁の通り |
二 判例百選No.32事件
1 談合による契約の私法上の効力
A説(公序良俗に違反して初めて無効)
原審判断である。
独占禁止法に違反した契約の私法上の効力については,その契約が公序良俗に反するとされるような場合は格別として,直ちに無効であると解すべきではない。
→本件契約が公序良俗違反となって初めて無効であるとする。
尚,原審は,
| @ |
本件談合の態様が巧妙悪質であること |
| A |
目的・意図が不正であること |
| B |
談合行為の結果が重大であること |
| C |
談合体質が根深いこと |
| D |
落札価格が談合と密接であること |
から本件契約は,公序良俗に反して無効であると判断した。 |
B説(当然無効)
控訴審判断〔百選事件判断〕である。
入札制度の趣旨それ自体から見て,このような談合に基づく入札はそれ自体当然無効であり,これを契約の申込であるとしてなされる契
約も,その公序良俗違反を別途検討するまでもなく,当然無効である。 |
2 課徴金制度と,不当利得制度との関連
結論的には,原審・控訴審共に,不当利得返還請求訴訟において,課徴金を納付済みであることを理由に,不当利得返還請求権の行使を免れることは出来ないと判断している。
但し,理由付けについては,原審判決は,「両制度は,その要件効果は勿論,趣旨自体も異なること」を理由に,明確に,不当利得返還と課徴金支払の両者の不利益を受けうることが当然と判断されているのに対し,控訴審判決は,返還した不当利得金と支払った課徴金との関連を全く切り離しては考えない。但し,控訴審も,課徴金制度の趣旨〔不当な経済的利得の剥奪〕から言っても,現に損失を受けている者の不当利得返還請求が課徴金制度の為に妨げられる結果となってはならないから,結論的には,課徴金の賦課は,不当利得返還請求権に影響しないと判断した。 |
|