| 1 |
契約自由の原則から、理由なく解約できるとする条項も信義則違反、権利濫用、または公序良俗違反に該当しない限り有効。
しかし、
原告と被告は長期間継続的に契約しており、解約により原告が多額の損失を被ることを信義則の判断で考慮すべき。 |
| 2 |
以下の3つの独禁法違反の論点を検討。
| @ |
チェインストア契約上の対面販売義務と卸売禁止が一般指定13項(拘束条件付取引)に該当しないか。
→ 平成10年資生堂・花王最高裁判決の基準を用い、化粧品という商品の特性からブランドイメージの維持・高揚が必要であるとして、対面販売義務と卸売禁止は、相手方の事業活動を『不当に』拘束するとは言えない。 |
| A |
チェインストア契約上の対面販売義務と卸売禁止が一般指定12項(再販売価格維持)に該当しないか。
→ 販売方法の限定により販売経費が増加し、多少、小売価格が安定する効果が生じるが、再販価格を拘束している証拠はない。 |
| B |
コスメニティー契約上の卸売禁止が一般指定13項(拘束条件付取引)に該当しないか。
→ 卸売販売の禁止は、対面説明販売の実効性を確保するための方法であり、「相手方の事業活動を『不当に』拘束する条件を付けた取引に当たるといわざるを得ない。」 |
|
| 3 |
上記を前提に本件解約の有効性を検討。
・ 原告がチェインストア契約上の対面販売義務と卸売禁止に違反していることを認定。
← 原告は、被告の真の目的が再販価格維持であると主張。
| (公取委平成7年6月21日勧告) |
| ・ |
割引販売を企図した大手量販店に対し、資生堂化粧品のうち非再販商品について、メーカー希望小売価格を下回る価格で販売しないよう要請し、メーカー希望小売価格で販売するようにさせている行為を取りやめ、今後も販売価格を制限しないこと。 |
| ・ |
実質的に消費生活協同組合との間で締結している再販売価格維持契約を破棄し、今後も締結しないこと。 |
裁判所は、「平成5年当時、資生堂が資生堂化粧品が割引販売されることについて相当の危機感を抱いていたものと推認され」るが、「右の契約違反という理由が再販売価格維持の目的を隠ぺいするための単なる口実であり、本件各特約店契約を解約した真の目的は再販売価格の維持にあるとまで認めることはできない」と判示。
また、「チェインストア契約とコスメニティー契約は、別個であり、解約の正当性も個別に判断すべき」としながら、「元々、コスメニティー契約の対象となっている化粧品は、チェインストア契約の対象とされていたものであり、チェインストア契約に関する信頼関係の破綻は、コスメニティー契約における信頼関係にも大きく影響する」と判断して、コスメニティー契約の解約についても、信義則違反等はないと判示。 |